「神対応」とはApple StoreのGenius Barのためにある言葉

Genius Bar(以下、ジーニアスバー)って知ってますか?

geniusとは天才、barはバー。直訳すれば、天才のバーです。

MacBook Pro

 

1.ジーニアスバーはどこにある?

最初に簡単にジーニアスバーを説明しときますね。

Apple Store(以下、アップルストア)という、Apple直営の店舗に併設されてる、サポートなどを行うコーナーです。

アップルストアは世界中にありますが、日本だと8店舗。

北から順に以下のとおり。

  • 仙台一番町(仙台市青葉区一番町)
  • 銀座(東京都中央区銀座)
  • 渋谷(東京都渋谷区神南)
  • 表参道(東京都渋谷区神宮前)
  • Apple Watch at Isetan Shinjuku(東京都新宿新宿)
  • 名古屋栄(名古屋市中区栄)
  • 心斎橋(大阪市中央区西心斎橋)
  • 福岡天神(福岡市中央区天神)

iPhoneが壊れた、アプリが突然動かなくなったとかいうとき、相談すると解決してくれたりするカウンターです。

アップルストアがある地域に住んでいるあなた、すごく幸せですよ。

ジーニアスバー

 

2.初体験したジーニアスバー

ここでわたしが初体験したことをご紹介しようというのが今回の記事です。

時系列で、概要をざっくり書いてしまいます。

  • キーボードに不具合を感じた。故障とまではいかないがなんとなく気になるので、とある家電量販店にあるアップルショップ(アップルストアではありません)の相談カウンターに相談してみた アップルショップとは
  • 心配した不具合はテストの結果、無いことがわかった。ただし、別の不具合があることがわかった
  • アップルショップのそのカウンターで預かって点検、修理をすることもできるが、アップルストアのジーニアスバーでチェックしてもらうこともいいかもしれない、とのアドバイスがあった
  • その日のうちにアップルストアのジーニアスバーを訪ねるも空きはなかった。ただし、簡易的なサポートの中で、もしかしたら対応できるかもしれないとの提案あり。最短で2日後のジーニアスバーが予約できた
  • ジーニアスバーで有意義なサポートをしてもらえた

これが全貌です。

 

これだけだと、

  • アップルストア(ジーニアスバー)とアップルショップのなにが違うの?
  • 有意義なサポートってなんだったの?
  • 結局、なにがよかったの?

がわからないでしょうから、詳しくご説明しますね。

意識しないと、Appleのコアなファンじゃないとわかりづらい描写も出てくる可能性大なので、わたし自身落ち着いて書くことにします。(でも、着いてこれない方がおられたらすいません)

 

3.不具合の中身

相談しようと持ち込んだ、わたしが感じていた不具合。

愛用しているMacBook Proのキーボード、その一部のキー(特定できていないのだけど、右上の「9」「0(ゼロ)」「U」「I(アイ)」「O(オー)」あたりがペコペコした感触がして、壊れそうな感じがしたことです。

入力自体は問題なさそう。過去に数回程度、押したのに入力されなかったことがあったかもしれない程度のことが起きてたかもしれません。

そんな程度の現象でしたから、どうしても解決してもらわないと困るほどのことではなく、わざわざ訪ねて行ったわけではありませんでした。

ほんとに困っていたら、事前にジーニアスバーを予約してストアを訪問することにしてたと思います。

でも、さほど困っていたわけでは無い、ジーニアスバーはすぐに行っても空きが無い(無いわけではないが、それなりに待たされる、簡易的なサポートしか受けられない)といったことがわかっていたので、アップルストアではなく、すぐに対応してもらえる、アップルショップの相談窓口に行くことに。

ジーニアスバーの話をしようとしているのに、アップルストアではなくアップルショップという、また違う言葉が出てきました。

アップルショップとは、

AppleShopは最新のApple製品の楽しさや使いやすさを体感しながら、お客様に新しいライフスタイルをご提案することを目指したショップです。
以上、ビックカメラより

ビックカメラ、エディオン、ヨドバシカメラなどの家電量販店に設置されてます。Apple直営ではないです。

アップルストアのジーニアスバーより客が少なく、予約なしで飛び込みで行ってもすぐに対応してくれます。

直営ではないんですが、詳しい、高レベルのスタッフが、ハードウェアテストなども行い、調べてくれます。

が、限界があります。今回、こうでした。

  • 故障かどうか、一度お預かりして調べてみないとわかりません。1週間程度お預かりすることになります。
  • バックライトが正常に動作していないようです。
  • アップルストアのジーニアスバーだともっと詳しく、しかもすぐに対応してくれるかもしれません。

これでした。

で、近くのアップルストアへ。

やっぱり、ジーニアスバーはいっぱい。飛び込みで待つとなると1時間はかかるとのこと。でも、時間にある程度余裕があったので、待つことにしました。

 

4.ジーニアスバーの真骨頂

飛び込みで待っている間、病院でいうところの問診を別のスタッフがしてくれます。

「ここ(アップルストア)には、地下に工場(こうば)があるので、もしかしたら点検とかすぐにできるかもしれません。空きがあるか、調べてみますね」

えっ、アップルストアって、地下に工場があるの?

最強じゃないか。

「ごめんなさい。空きはなかったようです。最短でしたら明後日空きがありますけど、予約しますか」

「はい、予約してください」

残念ながら、当日は無理でしたが、2日後、再訪しました。

ジーニアスバーのスツールに初めて座る。

「Kです。よろしくおねがいします。アップルショップ、その後のアップルストアでの受付のときのヒアリング、全部記録しており、確認してます。ちょっとキーボードを触らせてもらってもいいですか」

ここからは、Kさんによるキーボードの確認、ハードウェアテスト、その他様々なテスト。わたしも詳細はわかりません。

「ここでのテストでは異常はなさそうです。もしかしたら、アップルショップさんでのテストで、間違った判定をしてる可能性がなきにしもあらずですけど、異常が出ているという限り検査、修理をやったほうがよさそうですね。

「地下の工場ではできないんですか」

「キーボードだけ取り替え、というんであればすぐにでもできるけど、この機種の場合全部分解する必要がありますから、無理ですね。やっぱりしばらくお預かりすることになります」

なんだ、やっぱりそうなんかい!

でも、テストしている間、もっといろいろな会話をしてますが、それこそがジーニアスバーの真骨頂。

  • わたしの持つMacBook Proからキーボードのメカニズムが変わっているから、それで違和感を感じるかもしれないという影響
  • わたしのキーボードを叩くクセ

などのわたしの困っていることについての説明から、

「実はわたしもMacBook Proを買おうか買うまいか悩んでいるんですよね。このキーボードの感覚が自分の希望しているものと違って、それがネックなんですよ」by Kさん

わたしが漢字Talk時代から使ってると話すと、それにあわせて古いネタを持ち出してきたり(漢字Talkとは、MacのむかーしのOSの名前です)

これ以上書くと、スタッフ、そしてわたしが特定されてしまうかもしれないので止めときますが、Kさんは、わたしがどんなユーザーかを察知して、テストの待ち時間が空疎なものにならないよう、間をつなげてくれました。

一貫して、この時間はサポートを受けている時間ともてなされているという時間が一致していた感覚でした。

極端にいうと、ジーニアスバーって、テクニカルサポートだけではなくおもてなしの場でもあるんじゃないか、それくらい、Kさんはおもてなしのマインドだったと感じました。

Kさんだけじゃないと思います。他のスタッフも含め、みんな素敵な笑顔、客(ユーザー)をサポートしている時間が自分自身の喜びと感じているという様子。

これこそがサービス、カスタマーサティスファクションですよ。

サービス業に就く人(たち)は、ジーニアスバーをお手本にしたらいいと思う。

「神対応」という言葉が使われすぎて、神レベルではなくても神対応と報じられたりする。わたしに言わせれば、ジーニアスバーは、当たり前に、使い古されたレベルの「神対応」をする場ですが、ジーニアスバーは神対応が当たり前、そしてユーザーによってはほんとの神対応を感じる場、だと思います。

わたしもその1人です。

【追記】

アップルショップでもいいんです。否定はしません。

アップルショップに、他の店員とは違う衣装(笑 具体的には黒いポロシャツ)を着てる店員がいます。

あの人たちは、Appleの社員(正社員か契約社員か、その他の雇用形態かはわかりません)だそうです。量販店なので、Appleの法人営業の舞台のひとりなんだそうです。

ちなみに、この記事でご紹介したジーニアスバーのKさんはAppleの契約社員だそうです。

その昔、デオデオ(今のエディオン)にコンプマートという店舗がありました。

そこのアップルの販売コーナー(まだアップルショップというものが存在しない時代です)におられたTさんという店員は、今回のジーニアスバーと同程度の知識やおもてなしのマインドをお持ちのかたで、用もないのによく行ってました。

 

 

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