厚労省の毎月勤労統計調査不正問題について、元「中の人」が冷静に雑談

国会やインタビューなど、テレビに出てくる厚生労働省の幹部らを見ていると、この不正はミスや間違いなどではなく、なんらかの意図をもって行なわれた可能性が高いと感じる。

具体的な証拠があるわけではない。状況証拠くらいしかない。
それでも。

 



 

1.昔、わたしは官庁にいた

 

ブログ管理人である電磁波は、昔、とある官庁にいた。出向的な扱い。
(具体的な話をすると身バレするかもしれないので、やめておく。ご容赦を)

統計を扱う部署ではなかったが、統計に基づいて政策を決定していく過程はみていた。

政策を決める基になる統計であるから、厳格に行なわれなくてはならない。ミスはありえないし、あったとしても二重三重の対策でミスは修正される。

そんな様子を見てきたから、統計の手続きや作業、集計が安易に行なわれるわけではないことは今回もそうだと思う。

 

 

2.統計以外にアンケートも重要視される

 

統計はもちろんのことだが、アンケートも重要な存在だ。

役所から届くアンケート。統計や調査と言えるほどではない、重要じゃなさそうなものも政策を検討するのには重要、貴重な存在。

当時の上司は、よく

[st-minihukidashi fontawesome="" fontsize="" fontweight="" bgcolor="#f3f3f3" color="#000000" margin="0 0 20px 0"]アンケートは、我々が知ることができない民間企業のことを知る重要な場面だから、企業には答えてほしいんだよね[/st-minihukidashi]

と言っていた。

だからわたしは企業に戻ったらなるべく答えるようにしている。

 

そんな位置付けだから、彼らは統計・アンケートなどを大事に扱う。

 

 

3.真面目、真摯で優秀な官僚・幹部たち

 

テレビに出てくる厚労省の役人たち。中には知っている人物も出ていた。
直接関わったことはないが、極めて優秀な人物だ。

頭はいいし、国のための仕事をしているという心意気、意気込みはさすがキャリアである、と当時思っていた。

 

わたしが使えていた上司も、バランス感覚を持ち(官庁と民間の発想や物事のやり方などの違いを理解しようという意識を持っているということ)、それでも頭は切れ、人物としても申し分ない人たちだった。

 

そんな彼らだから、真面目に仕事はしていたし、おふざけのようなことはしない。

誤った統計値を出すことで給与が上がるとか、懐にこっそりなんてメリットがあるとも思えない。

 

 

4.バックに大きなものが動いていたのは間違いない

 

第三者(特別監察委員会の外部有識者)による調査は、お粗末だった。
簡単に始末してしまおう、ということだったのだろう。

ところが、全然第三者ではなく、身内だったし、幹部も同席だったとのこと。

 

これらを勘案すると、今回の統計はバックに大きなものが動いていたのは間違いない。
それは、ここでわざわざ書くまでもないことだが、安倍政権の政策が成功していることを裏付けるために意図的に行なわれた、ということだ。

 

 

5.役人もバカなところがある(蛇足)

(以下は余計な話なのでスルーしてください。)

 

そういう役人たちではあるが、民間企業との風土の違いなどもあり、一般企業人からは一風変わったところもあるキャラクラーの人物たちもいた。

 

民間企業のことはわかっていない(だからこそ、民間企業向けのアンケートが重要)ので、仕事の進め方の基本的なところが、ちょっと違っていたりする。

当時は、ファイリングといったことはやられていなかったに等しいレベルだったし、パソコンもなく、ワープロでせっせと文書を作成していた。

 

[st-minihukidashi fontawesome="" fontsize="" fontweight="" bgcolor="#f3f3f3" color="#000000" margin="0 0 20px 0"]あいつ、朝から晩(終電)まで、ずっと机に座っているんだ。土日もだぜ[/st-minihukidashi]

そんな人物もいた。直接話をする機会はなかったが、プライベートなことに一切興味がない。趣味もない、娯楽もない。会社(役人は職場、官庁のことを“会社”と表現することが多い)にいるのが好き、むしろ会社にしか居る場所がない、そんな人物だったらしい。

 

机がうずもれるほどに積み上がり、マスに入れたコップに日本酒を注ぐときにあふれるがごとく、書類が散乱しているものの、必要な書類は瞬時に探し出せる人物がいたり。

 

官僚、キャリアというととかく特別視してしまいがちだが、彼ら彼女らも人間。

 

 

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