M-1グランプリ2017の感想を今さら言う

トピック「とろサーモン」について

数日経過して、しかも芸人でもなく制作関係者でもない一般人の感想なんて誰も気にしないと思いますけど、去年も書いてそこそこPVをいただいたので書きます(今年になって昨年の記事のアクセスもまた増えているみたい)。今年のM-1グランプリ。

M-1グランプリ2017 とろサーモン
とろサーモン

1.総評

全体的には、面白かったというのが2017年の感想です。

10年やってて(2001年から2010年まで)、島田紳助のこととかいろいろあってそれでM-1は終わりと思ってました。

2010年最後の優勝は笑い飯。彼らの優勝は出来レースみたいな感じがして、ああ、M-1グランプリも手垢がついてきたな、と。

松本人志が「(笑い飯に)勝たせてあげたかった」みたいなコメントをしたので、なんだ、そういうことか、としらけました。純粋に笑いだけでの評価をしなかったのか。

個人的にはスリムクラブが勝った、と思ったし、スリムクラブが勝つことがM-1の真骨頂みたいなことも期待してました。

 

わたしなりのM-1の真骨頂とは、ガチ勝負ということ。

第5回のブラックマヨネーズ、第7回のサンドウィッチマン(敗者復活)はガチ勝負というか、裏がない、ほんとの勝負がされたと感じてました。マークされてない演者が上位にはいるとかも。

 

でも徐々に、M-1という大会自体の魅力、意味みたいなものが薄れてきていたような。

それからすると、2016年、そして今年の大会はM-1らしさみたいなのが感じられてよかったと思ったし、笑わせてもらいました。

2.個別の話

(1)上沼恵美子という審査員

審査を笑いにする上沼恵美子は、それはそれで必要な存在だと思います。
言葉は乱暴だけど、笑いにしているので、さすが芸人という感じがします。

特に、女性芸人へのアドバイス(的な笑いも含む)はボケがきいてて面白い。

M-1グランプリの華といってしまうと大げさかなあ、と思いながらも、いい調味料のひとつではあるかなと。

でも、今年の大会でのマヂカルラブリーへのコメントは、少々度が過ぎたかな。会場、テレビの前の観客がちょっとひくほどの程度を感じました。

それと、2016年の話で恐縮ですが、カミナリへの低評価(81点)は未だに解せない。

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今年の大会の前日、2016年の放送のダイジェストを放送してました。特に、カミナリの部分を注意してみていました。なぜ低評価だったのか、演技中上沼さんはどんな反応だったのか。

彼女は笑ってました。うけてました。

で、採点結果が発表された瞬間。自分以外がどんどん高い評価をつけています。そして彼女の採点発表、81点。

心なしか、彼女の口が「まちがった」という主旨のことをつぶやいた感じがしました。押し間違いだったのではないか、と。

そんなことはないと思うんですよ。自分が押した点数は自分のタッチパネル的な部分に表示されているだろうし、発表のとき(自分の押した点数がカメラに映るとき)に初めて自分の押し間違えた点数が出るなんてことは。

でも、解せないんだよなあ。去年のカミナリへの評価は。

で、今年はというと、カミナリへの評価は悪くはありませんでした。90点。

 

(2)とろサーモンに対する感想2つ

今年優勝したとろサーモン。感想が2つあります。

1つ目は、第10回大会を思い出させたこと。

つまり、「よしもとの、出場資格最終年の出演者が優勝した」ということ。

 

わたしは、第10回大会で笑い飯が優勝したのは「忖度」があったと感じています。
松本人志の「勝たせてあげたかった」のコメントに象徴されるように、よしもとだから、とか、出場できる最終年だから、とかの理由で点がはいる、という。

M-1が面白くなくなったなあと感じていまして、理由のひとつがそれです。なので、審査にそういうバイアス(偏り)があったとしたなら残念です。

まあ、2017年の大会、決勝進出者+敗者復活の10組のうち9組がよしもと(グレープカンパニーのカミナリが唯一の例外)なんですけどね。

もう1つは、そんな悪い印象もさほど気にならないほと、とろサーモンが面白くなっていたということ。「進化」という表現でも大げさではないと思えるほどでした。

村田(ツッコミ、左側)がしゃべり続け、久保田(ボケ、右側)がボケをはさんでも村田から無視され続けるというスタイル(ウィキペディアでは「すかし漫才」と表現されている)の頃は面白いとは思わなかったけど、今回の漫才は面白かった。

十分、優勝に値する、と思いました。

 

3.お笑いタレントに対する気持ちとかM-1の価値とか

最近のお笑いタレントって、売れたあとに向かう方向がいろいろあります。

番組のコメンテーター、街歩きのリポーター、バラエティ番組の司会、ひな壇芸人などなど。

漫才師が漫才をずっと続けるってのは少ない感じがします。

それはそれでいい。その方が、その芸人の魅力がより発揮されることもある。

M-1優勝者でいうと、ブラックマヨネーズは、漫才をまだやってほしいと思うけど、番組の司会とかコメンテーターとしても面白い。小杉の司会進行と吉田のボケやツッコミの形での鋭い指摘など。

サンドウィッチマンだったら、漫才やコントをやってる姿が好き。面白いし、うまい。

でも、お笑い以外に進む連中が多いのは残念です。

そんななか、M-1のように漫才や漫才に限らないネタ)でお笑いを極めようとする番組が存在するのはうれしいです。

だから、M-1は続けてほしい。

 

【追記】2017/12/08

M-1グランプリについて、素敵なエントリーを見つけました。

www.club-typhoon.com

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