M-1グランプリ2016:レベルが高く充実してたけど上沼の採点が不可解で冷めた 他

昨日開催された、M-1グランプリ2016。

タイトルどおりの感想と、それ以外のことにも若干触れた内容を書きたいと思います。

M-1グランプリ

 

 

 

 

1.カミナリへの上沼恵美子の採点

トップバッターのアキナから非常に笑いが多かった。

いつもはトップバッターは苦しむのが通例。過去にはポイズンガールバンドとかね。

 

トップバッターから笑いが起こると、後に続く演者もその空気に乗って盛り上がる。

これは、面白い大会になりそうな予感がしました。

一方でアキナの次のカミナリって、名前を聞いたことがなく、実力がわからない。

果たして・・・。

 

その不安を打ち消すように、アキナよりも笑いをとっていた(とわたしには思えた)カミナリ。

こりゃ、ほんとにレベルの高い大会になりそうだ。

銀シャリ、スリムクラブなど、あとに続く経験済の出場者は太刀打ちできるだろうか、と思えるほどでした。

 

さて、カミナリの得点。

他の審査員は高かった(89〜91点)のだけど、上沼恵美子は81点。

押し間違いか?とも思えるほどの点数。

ネタの中で上沼をディスるとか、カチンとくるようなものがあったか?と思い出そうとするけど、思い当たらない。

じゃあ、「今田耕司よ、上沼恵美子にぜひインタビューして」と期待したが、スルー。

結局、そのもやもやは晴れず、せいぜいつぶやくしかなかった。

もしかして、カミナリは吉本じゃないのか?と調べると、グレープカンパニーとのこと。サンドウィッチマンなどが所属する事務所。ははーん、「普通に採点すると高得点になり、吉本の出場者の優勝があやうくなる、それはまずいから低得点にしとかんとあかん」とかいうバイアスがかかったのかなあ。

とにかく、そこで盛り上がりとアルコールの酔いまでも冷めてしまい、カミナリ以降の演者を楽しめなかったというのがわたしの本音。

 

2.漫才か漫才じゃないかの問題

そもそもM-1グランプリは、漫才というスタイルの笑いを競う大会としてスタートしたのではなかった、と記憶しています。

大会の名称として、manzaiの頭文字「M」 をとっているものの、漫才と限定したのではなく、1つのマイクの前で二人以上の人間がおしゃべりする、というくらいの定義ではなかったでしょうか。

わたしのかすかな記憶しかないので、当時のことを詳しくご存知の方がおられたらぜひ教えていただきたいと思っております。

 

今回の大会でも、「正統派漫才」として銀シャリが評価されたり、「あれは漫才じゃなくてコント」などという評価が出たりしてました。(審査員がしゃべったかどうかは確認してませんが、ネットではそのような言葉がたくさん出てました。)

結果は、正統派漫才(銀シャリ)が制したわけですが、再び漫才とは何かについてなんとなくはっきりしないという後味を残すことになった感じがします。

 

そもそも漫才とコントの線引って、どういうものなんでしょうか。

漫才とは何なんでしょうか。

ボケとツッコミ、オチなどでしょうか。

わたしにはわかりません。

 

さて、2016年の大会のことを調べましたら、審査基準は「とにかくおもしろい漫才」だそうです。

www.m-1gp.com

 

第7回大会の優勝者、サンドウィッチマンはコントと言われます。

第10回大会の優勝者、笑い飯は、Wボケというスタイルで独特ですが、あれは漫才でしょうか。(そもそも、Wボケの最初は、わたしはWヤングだと思っています)

過去の審査員の評価コメントでも、

「あまりに正統派(の漫才)すぎて、新しさを感じなかった」

と低い得点になったり、

「正統派でここまで笑わせるか、とビックリした。なにも新しいことだけをする必要があるわけではないことがわかった」(大竹まことのブラックマヨネーズ評)

と高評価だったり。

漫才か漫才じゃないか、の視点が審査員の中でブレてますよね。

 

まあ、人が人を評価するのですから、絶対はありません。好き嫌いもあるし、誰もが納得できる評価なんてないでしょう。

機械で判定することを持ち込んだスポーツでさえ、誤審はあるわけですし。

 

カミナリの、急に相方を叩くというツッコミがボケにも見えるスタイルは、もしかしたら正統派漫才の域を超えていたのかもしれません。

それが、しゃべくりの正統派漫才だった上沼の感性と違ったのかもしれません。(それでもオール巨人は91点を出していたんですけどね。)

 

3.吉本びいき

これは本質的な問題と言えるかもしれません。

主催が吉本だし、出場者の数としても吉本が多いし、審査員も上沼恵美子以外全部吉本だし。

古くは、吉本びいきがなければ、第1回大会はますだおかだ(松竹芸能)が優勝していた、と言われたことがありますし。(ますだおかだは第2回大会で優勝。自己紹介で「どうも、松竹芸能のますだおかだです」と始めたことも印象的でした)

チュートリアルの優勝(第6回大会)は出来レースの空気むんむんでしたし、笑い飯の優勝(第10回大会)で松本は笑い飯に投票したのを

「『スリム飯』に投票しようかと思ったほど、接戦だった。でも(笑い飯はM-1で)これまで頑張ってきましたからねえ」

とコメントし、これまでの頑張りを評価した、悪く言えば論功行賞かな。

そもそも笑い飯は、第9回大会が出場できる資格として最後の大会だったはず(放送内でも今田耕司が「今年は最後ですからねえ」的な言葉をしゃべっている)でしたが、誕生日かなにかの解釈として第10回大会にも出場できるようにしています。

まあ、これを吉本びいきと表現していいのかは別問題ですが、その場で行われた漫才が面白いかをガチで評価するのがM-1だと思いたいですね。

 

第5回大会のブラックマヨネーズ(吉本所属だけど、それまでは準決勝で負け続けていて、有名ではなかった)や、第7回大会で敗者復活から優勝したサンドウィッチマン(吉本ではない)などは、ガチの勝負での採点が行われたと、わたしは思っています。

 

4.今回の大会で最もトクしたのは

今回の優勝者、銀シャリは、多くの賞を獲っているし、売れっ子だし、優勝したからガラリと生活が変わる、なんてないでしょう。

そういう意味では、アキナや、上沼恵美子の違和感ある採点で今後も注目されることとなろうカミナリなど、無名だけど実力ある演者たちが一気に多くのお笑いファンの知られることとなり、生活が変わるでしょう。

「一夜にして、生活がガラリと変わる」M-1の本領は発揮したと言えると思います。

【追記】

上沼恵美子氏は吉本ではないとのご指摘をいただき修正しました。

ご指摘ありがとうございました。

 

【追記2】

「電磁波のブログなのに、なんでテレビ番組の話なのか?」とのご指摘をいただきました。テレビ受像機も電磁波を発する機器ということでご理解を・・・

 

2017年のM-1グランプリの感想記事を書きました。

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