M-1グランプリ2020の主役はおいでやすこが:あれもこれも2020年のことだった

「おいでやすこが」は、ピン芸人がコンビを組んだ漫才師です。

 

1.おいでやす小田とこがけん

 

おいでやすこがとは、

「おいでやす小田」と「こがけん」の2人からなるコンビ。

 

M-1は、結成からずっと漫才師として活動してなくても、ピン芸人(普段は一人で芸人をやっている人)でもコンビを組めば出場できます。

(これを「ユニット」と呼んでいるようですね。)

 

これまでも、山崎邦正(現 月亭方正)など、即席のコンビをつくって出場してました。

 

おいでやす小田もゆりあんレトリィバァと組んで出場してたりしました。

今回、こがけんと2年連続で出場。見事決勝に進みました。

 

小田曰く、「ユニットとして出場したコンビが決勝に進むなんて、前代未聞」と言ってました。

 

 

2.ワイドナショーに出演

 

おいでやす小田、ワイドナショーに出演しました。

これで、多くのお笑いファンに知られることになったのではないでしょうか。

 

 

3.ふたりとも実力者

 

おいでやす小田はR-1グランプリに連続出場しているベテラン。

急遽、R-1の出場資格が変更になり、出場できなくなったおいでやす小田。

そのことそのものもネタにしてしまうテクニシャン。

 

こがけんも、歌ネタ王決定戦とかR-1ぐらんぷりに出場している実力者。

 

ふたりの見た目やキャラクターが見事にマッチしたコンビだと感じます。

 

 

M-1決勝進出が決まった後のYouTubeオフィシャルチャンネルで、ふたりは

「優勝か最下位のどちらかになると思う。最下位でもいいです」

と言ってました。

本音だと思います。

 

優勝を望むのはもちろんですが、中途半端な順位よりは最下位の方が彼らがより活かされる、それを活かすことができるネタになりそう、わたしはそう思いました。

 

 

4.ピンとコンビネーション

 

ふたりはこれから、ピンとして活躍するだろうし、コンビでもやっていける。

というか、ふたりならではの魅力が爆発していくのだろうと思います。

 

 

 

ふたりのキャラがいかされた動画、ぜひご覧ください。

 

それと、おいでやす小田といえばヌートリア。

なぜ、おいでやす小田がヌートリアなのか、

YouTubeで「ダイアン ヌートリア」で検索してみてください。

 

 

5.今回も起きた「M-1は漫才の大会なのではないか?」騒動

 

これまでも「M-1は漫才の大会のはず。●●の芸は漫才ではないからおかしい」という議論は出ていました。

 

今回で言えば、優勝したマヂカルラブリー、おいでやすこがの芸は漫才ではない、という論がありましたし、過去にはザ・プラン9(当時5人組)も「2人じゃないから漫才ではない」論もありました。

 

M-1の出場資格の定義をオフィシャルサイトで見ると、以下のとおり。

 

  • プロ・アマ、所属事務所の有無は問いません。
  •  2人以上6人以下の漫才師に限ります。(1名(ピン)での出場は不可。)
  •  プロとしての活動休止期間は、結成年数から除きます。

 

「漫才師」との記載があります。

この漫才の定義が何になるか、ということでしょうが、多分はっきりしたものではないでしょう。

 

今回で言えば「最終決戦で漫才をしたのは見取り図だけ、マヂカルラブリー、おいでやすこがは漫才ではなかった」という意見は多かったようです。

 

個人的には、今大会で(あるいは過去の大会で)「漫才じゃない」論は不要だと思っています。(ただ、マヂカルラブリーは全然おもしろくなかった、笑わなかった)

 

なんだかわからない不確かなモノを、時代が引っ張ってくるんだなぁ

 

大竹まことが2006年の大会でチュートリアルを評した時の言葉だったと記憶してます。

古典的な漫才ではないものでも“面白いものは面白い”と評価するのがM-1ではないだろうか(そうであってほしい)、というのがわたしのM-1への期待です。

 

 

6.おいでやすこがは十分漫才だった

おいでやすこがは十分“漫才”だったと、わたしは感じました。

 

仕事で、あるいは私生活で、人と話をするとき。

  • 最小限の言葉で話ができる人
  • たくさんしゃべらないと意図が伝わらない人

の2種類があります。

 

おいでやすこがは、M-1に出場したことがないのに、自分たちのしゃべり・歌が、M-1の観客の笑い・黙る時間を見事にコントロールして、ボケとツッコミのタイミング、笑いが起きる瞬間のウェーブを見事に演じきってました。

これって、いわゆる古典的な“漫才”の技芸ではないでしょうか。

 

 

ギャーギャー騒ぐだけではなく、声・唄声の大きさやテンポ、大声のツッコミは観客を完璧にドライブしていました。

審査員は平等に一人一票なので差はありませんが、松本人志と上沼恵美子の2票を獲得したのは、さすがピンで磨いた芸の結晶でした。

 

おいでやすこがのM-1は、いい意味でこれからのM-1に貴重な足跡を刻んだと思います。

 

 

 

過去のM-1に関する記事はこちらです。

 

 

2020年に起きた、オレの出来事たち

 

 

 

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